デザインの仕事をしていると必ず出てくる言葉がコンセプトです。
コンセプトとなんでしょう?
コンセプトが大事だ!なんてよく聞きますが、コンセプトってそんなに大事なのでしょうか?
この記事を読んでもらえばコンセプトがなければなにも作れないことがわかります。
コンセプトの重要性考え方と決め方をわかりやすく解説します。
コンセプトとは
[コンセプト]と必ず一緒に出てくるのが[テーマ]です。
[テーマ]があっての[コンセプト]です。
「コンセプト」と[テーマ]
では「テーマ」とは何か? それは商品・場所・サービスだったり、つまり「主題」になります。(PRしたい商品やサービス)
この主題の目的実現の為にコンセプトがあります。
主題が何を実現したいか、その数だけコンセプトは存在します。
例えばテーマを[メガネ]とします。
コンセプト例
- コンセプト1:掛けていることを忘れるくらい最軽量のメガネ。
- コンセプト2:曲げても折れない丈夫なメガネ。
- コンセプト3:激しい運動をしても落ちることのないメガネ。
このようにテーマであるメガネに対してコンセプトは問題の解決・提案の分だけ存在します。
つまり同じ商品でもコンセプトが変われば、広告の表現の仕方も全く変わるということです。
コンセプトの実例
幾つか実例を見てみましょう。
ダイソン
吸引力の落ちないただ一つの掃除機
問題点:掃除機はゴミが溜まるとと吸引力は落ちる。しかしこの掃除機はゴミが溜まっても吸引力が落ちません。他とは違う掃除機です。
問題点を解決するコンセプトとなります。「ただ一つの」でより強調されています。
ディズニーランド
夢と魔法の国
提案:ディズニーランドに入った瞬間から非日常的な空間が広がります。ディズニーランドから外の建物が見えないというのもコンセプトに基づいた設計なんでしょう。
夢と魔法の国に来て他のビルが見えたら少し冷めちゃいますよね。
イージートーン
履くだけのジム
スポーツシューズメーカー「リーボック」が発売した靴です。裏が柔らかく不安定なソールなので歩くのにバランスをとる為、足の筋肉がエクササイズされるという商品です。
問題:ジムにわざわざ行きたくない。行く時間がない。でも痩せたい、鍛えたいという問題をこのシューズを履いて歩いているだけでエクササイズできることで解決します。
コンセプトの作り方
[コンセプト]とは[テーマ]の問題の解決や提案をするアイデアと言いました。
つまり以下の2点が盛り込まれていないコンセプトは悪いコンセプトとなります。
- ユーザーにとっての問題点の解決
- ユーザーにとってのメリットまたはメリットのある提案
そして一目でその商品・サービスの価値がわかるものでなければなりません。
[コンセプト]+[テーマ]に当てはめて考えてください。
テーマあってのコンセプトなので◯◯◯(コンセプト)の◯◯◯(テーマ)と必ずなります。
ダイソンの場合
コンセプト:吸引力の落ちないただ一つの掃除機
[ゴミが溜まっても吸引力の落ちない][今までになかった] + [掃除機]
イージートーンの場合
履くだけのジム(ジムに行くのと同じ効果のスニーカー)
[履くだけでジム行っている効果のある]+[スニーカー]
例を見てもコンセプト+テーマになります。他のコンセプトも確認してみてください。必ずこのような作り方になっています。(ググってください)
コンセプトが変われば見せ方も変わる
コンセプトは問題の解決・提案の分だけ存在することは前に言いましたが、それはデザインも当然変わってくることになります。
例えば、携帯電話の広告で「お年寄りでも簡単で、使いやすいスマートフォン」と「どんなファッションにも合うスマートフォン」では同じスマホでも表現が全く変わってきます。
クライアントは「お年寄りでも簡単で、使いやすいスマートフォン」をコンセプトで作った商品が、かっこいいデザインが作りたいからと、いくらかっこいいデザインをしても、ダメなデザインになってしまいます。
だからコンセプトは大事なんですね。
これはとってもわかりやす例でしたが、デザインをする上で伝えたい事柄をはっきりさせてデザインをすることは非常に大事なことです。
コンセプトが決まったらその商品やサービスを告知するアイテムの制作です。そのときに重要になってくるのが、情報整理です。下の記事は情報整理のやり方を書いたものです。参考にどうぞ。
また、コンセプトによってターゲットも変わってきます。先程の例で「お年寄りでも簡単で、使いやすい携帯電話」だとターゲットが60歳以上ということになれば、その年代の人に刺さるトンマナ が必要になります。「どんなファッションにも合うスマートな携帯電話」であれば若者に刺さるスタイリッシュなトンマナになるでしょう。トンマナの決め方の記事も参考にどうぞ。
まとめ
如何でしたでしょうか?問題を解決・提案するアイデアがコンセプトであることをご理解いただけたでしょうか。
コンセプトはデザインの骨格です。その骨格がふわっとしてると仕上がりもふわっとして、結局ユーザーに伝えたいことが伝わらなくなります。
商品・サービースの価値をとことん掘り下げることで良いコンセプトができるのではないでしょうか。
参考になれば幸いです。
デザインを作る考え方や作り方の参考になる本を紹介します。
この本の詳しいレビューも参考にどうぞ。
≫今更ですが祝20万部「なるほどデザイン」をレビューします。
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