「高級感のある感じでお願いします。」
デザインをやっていると、何度ども言われたことがある言葉ではないでしょうか。
高級感ってざっくり言われてもって感じですよね。
背景を黒色する?文字選び?写真変える?色選び?などなど色々なアプローチがありますが、いくつかの点を意識するだけで高級感を感じるデザインができるようになります。
情報量の多いチラシだけど高級感出せる?なんて疑問にもお答えします。
今回は高級感のある広告デザインやWebデザインの作り方のコツと特徴を解説します。
独学でデザインを勉強することはもちろん可能ですが、やはり時間がかかってしまうのも事実です。スクールで学ぶことが一番最短で確実な方法です。
高級感のあるデザインってなに?
そもそも高級感ってなに? なぜ高級感? そこからかよ!って思うかもしれませんが、、、大切なんで少し解説します。
他のものにはない優越感や満足感を感じる特別な気持ち、これが高級感を感じる瞬間です。
高級感を出すと言うことは読み手に、広告の商品やサービスを受けた時に、他にはない優越感や満足感を持った自分を想像させることが目的になります。
その想像が現実に商品が欲しくなり、サービスを受けたい欲求につながります。
なので、表現としては情報をいろいろアピールする方法ではなく、感情を揺さぶる表現方法が適しています。
感情に訴えるので自ずとイメージ寄りのデザインになるわけです。
高級感を感じる広告のほとんどは無駄のないシンプルなものが多いのは、そのためです。
高級感のあるデザインの作り方
高級感からイメージすることはなんですか。
優越感、満足感、落ち着き、優雅さ、洗練、静寂、余裕などなど、これらをイメージを感じさせることでデザインに高級感を出すことができます。
では具体的にデザインで高級感を出す方法をいくつか紹介します。
- クオリティーの高い写真を使う。
- 余白を多めに使う。
- 書体は明朝体または細い書体。
- 配色で高級感を出す
- 色数は少なくする。
- 色の彩度を抑える。
- 文字を小さく!字間の調整!
この高級感の出し方は、チラシ、ポスター、パンフレット、Webデザインでも共通して言えることです。
ひとつひとつ解説していきます。
1. クオリティーの高い写真を使う。
感情に訴えることが高級感を感じさせるポイントと言いましたが、その一番効果的な方法はそのままイメージを伝える写真での表現になります。
クオリティの高い写真があればそこにコピーを入れるだけで高級感のあるデザインは出来てしまいます。
上の画像のようにほぼ全面で写真を使う場合、写真選びのコツとして情報量が少ない箇所が紙面の1/3以上あるものが望ましいです。情報量のない部分としては上の画像では空や手前の床になります。
高級感を感じさせるには、ある程度画面に余裕が必要だからです。この後に解説する余白に繋がります。
写真の入れ方でイメージも変わってきます。下の記事も写真の配置の参考にどうぞ。
2. 余白を多めに使う。
高級感を出すにはゆったりと落ち着いた印象が重要です。また、余白は商品やコピーを引き立たせる効果もあります。
また、余白は白いスペースだけとは限りません。写真でも情報量の少ない部分は余白と同じ効果があります。例えば空や海など。
上の写真で言えば、左側の暗い部分がそれにあたります。
余白もデザインの要素なんだな。
余白の入れ方についての記事です。参考にしてください。
3. 書体は明朝体または細い書体。
高級感を出すにはゴシック体より明朝体の方が適しています。明朝体は文字に強弱があるので、すっきりとした洗練された印象になります。ゴシック体でも細いものであれば場合によっては良いかもしれません。
明朝体は読ませる書体に対し、ゴシック体は見る書体と言われています。
高級感を出すには、ゆっくり読ませる書体の明朝体が適しています。特に細い書体。
あと字間も重要です。キャッチコピーがしっくり来ない時など、字間を少し開けてみると、ゆったりしたイメージになり、しっくりくる場合があります。
ゆったりした印象が高級感を感じさせます。
フォントの印象についての記事になります。参考してください。
4. 配色で高級感を出す
黒物家電と言われているオーディオやテレビなどの高級家電やクレジットカードのブラックカードなどにも使われる黒色は高級感を演出する色としていろいろな分野で使われています。
黒には高級感、格式、上質、重厚といったイメージを感じさせる色です。
背景を黒で高級感を出す
黒は他の色を引き立たせる色でもあります。
背景が黒の中にアクセントカラーとしてゴールドやシルバーを使うことで、より高級感が増しプレミアム感を演出することができます。
特色でゴールドやシルバーを使えれば一番よいのですが、CMYKやRGBでもゴールドやシルバーに見える指定があります。
以下の指定は一例ですが、ゴールドやシルバーに見える配色例です。
ゴールドの配色例
C25 M35 Y80 K0
R202 G168 B70(#CAA846)
C5 M18 Y100 K0
R245 G209 B0(#F5D100)
C22 M32 Y95 K0
R209 G174 B21(#D1AE15)
シルバーの配色例
C30 M20 Y17 K0
R189 G195 B201(#BDC3C9)
C0 M0 Y0 K20
R220 G221 B221(#DCDDDD)
C0 M0 Y0 K13
R233 G234 B234(#E9EAEA)
黒と組み合わせて高級感を感じる配色
またゴールドやシルバー以外でも高級感を出せる配色があります。以下は一例です。
色にはそれぞれ持ったイメージがあります。色のイメージについて書いた記事も合わせてどうぞ。
5. 色数は少なくする。
色数が多いとどうしても賑やかな印象になりがちです。
落ち着きや優雅さを出したいので極力色数は少なくすることをおすすめします。
下の画像はチョコレートの色のブラウンを基調にアクセントとしてラズベリーソースの赤を使っています。色数を減らし統一感と落ち着きを感じさせることが、高級感を演出することにつながっています。
色数が少ないと、どうしても地味なイメージになりがちです。アクセントカラーをうまく使ってメリハリを付けることで、画面が締まって見えます。
上の画像でアイスの周りにグラデーションを使っています。グラデーションも高級感を出すアプローチの一つです。
グラデーションの使い方としては光沢・テカリ・光などを表現することで高級感を感じるものになります。
グラデーションを使うのも高級感を出すのに役立つんだな。でも使いすぎると逆にダサくなるんだな
配色の記事も合わせてどうぞ。
6. 色の彩度を抑える。
これは色数を抑えると同じような意味合いになります。原色など彩度の高い色はその色の印象だけで元気な賑やかな印象になってしまいます。落ち着いた印象にするには彩度を抑えた色使いが効果的です。また、トーンを統一することは落ち着いた印象になります。
高級感のある広告の背景は黒か白が多いのはその理由です。彩度の低い濃紺などもよくありますよね。
色はトーンによって与えるイメージが変わってきます。トーンを解説した記事も参考にどうぞ。
7. 文字を小さく!字間の調整!
目立たせたいからと言って大きな文字で入れるとそれだけで高級感は損なわれます。コピーなどは大きさでアピールするのではなく、文字の周りに余白を作ることで、小さい文字でもしっかり目立つコピーになります。
大きくするだけが目立たせることではないんだな。
文字を小さくした場合、文字と文字の間隔も調整をすると印象が変わってきます。
キャッチコピーとボディーコピーのサイズの差を大きくすれば、キャッチコピーは目立ちますが、高級感は損なわれます。でもキャッチコピーは目立たせたい。目立たせたいまわりに適度な余白を入れることで、小さくても目に付くデザインになります。
キャッチコピーとボディーコピーのサイズの差のことをジャンプ率と言います。
余白とジャンプ率について書いた記事を参考にしてみてください。
余白が大事なんだな。どんなデザインも。
チラシやパンフレットで高級感を出したい!でも情報量がいっぱい。
これよくありますよね。チラシやパンフレットの制作で高級感を出せって言うくせに、やたら伝えたいことがある場合。
今まで紹介した高級感の出し方では共通して、「余裕」、「ゆったり」、「ゆっくり」などのキーワードが出てきました。情報を詰め込むことは、これらと相反することです。
解決方法の一つとしてごちゃごちゃした情報エリアとスッキリしたイメージエリアをきっちり分けることです。
情報エリア、イメージエリアをしっかり分けることで、高級感を保ちつつ情報も伝えられるデザインが作れます。
下の画像はイメージとその他の情報をきっちり分けることで、情報とイメージの両立がとられています。
重要なのはメリハリなんだな。
かっこいいデザインの作り方を紹介した記事も参考にどうぞ。
まとめ
よく見るのがグラデーションを多用して高級感を出そうとしているデザインです。
確かにグラデーションをうまく使うと高級感は出ますが、使いすぎるとダサいデザインになってしまいがちです。
高級感を感じるデザインは伝えたい情報を絞り、シンプルに伝えることが大事なんですね。
余白でイメージがガラッと変わるんだな。
この記事ではグラフィックデザインについて解説していますが、Webデザインや動画制作でも共通して使える内容です。
参考になれば幸いです。
デザインの考え方から作り方を紹介した記事も参考にどうぞ。
おすすめのデザインスクールを紹介した記事も参考にどうぞ。
独学でデザインを勉強することはもちろん可能ですが、やはり時間がかかってしまうのも事実です。スクールで学ぶことが一番最短で確実な方法です。
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