イラストレーターで「ぼかし」の機能は非常によく使う機能かと思うのですが、ぼかしには2種類のやり方があるって知ってました?
同じぼかしでも、この2つのぼかしには大きな違いがあります。
また、「ぼかし」や「ドロップシャドウ」のボケが荒いとか(解像度が低い)、ぼかしが途中で切れてしまう、なんてことありませんか?
今回は2種類のぼかしの違いとぼかしのトラブルの解決方法を紹介します。
Contents
2種類のぼかし
イラストレーターには以下の2つのぼかしがあります。
- スタイライズのぼかし
- ぼかし(ガウス)
それぞれの違いとやり方の解説をします。
❶ スタイライズのぼかし
スタイライズのぼかしはオブジェクトの周りのみをぼかします。
下の画像のようにグループ化したロケットのイラストの周りだけボケていることがわかります。
その下の写真は円のオブジェクトでマスクを掛けたものです。これも周りだけボケていることがわかります。
また、ボケはオブジェクトの内側にボケます。
このように「スタイライズ」はオブジェクトの周りをぼかす機能となります。

スタイライズのぼかしのやり方
ぼかしたいオブジェクトを選択した状態で、メニューから「効果」→「スタイライズ」→「ぼかし」を選択。
「ぼかし」のダイアログボックス表示されます。プレビューにチェックを付け、ぼかし具合を確認しながら調節します。OKをクリックします。
選択されたオブジェクトにぼかしの効果がかかりました。

❷ ぼかし(ガウス)
ぼかし(ガウス)は指定したオブジェクト全体をぼかします。
ボケはオブジェクトの端を中心に内側、外側を均等にぼかします。

ぼかし(ガウス)のやり方
ぼかしたいオブジェクトを選択した状態で、メニューから「効果」→「ぼかし」→「ぼかし(ガウス)」を選択。
ぼかし(ガウス)」のダイアログボックスが表示されます。プレビューにチェックを付け、ぼかし具合を確認しながら調節します。OKをクリックします。
選択されたオブジェクトにぼかしの効果がかかりました。

「スタイライズのぼかし」と「ぼかし(ガウス)」の比較
一見同じように見えますがよく見るとボケ具合の違いがわかります。

「スタイライズのぼかし」はオブジェクトの内側にボケているの対し、「ぼかし(ガウス)」は内側、外側に均等にボケていることがわかります。
また、ボケ具合は「ぼかし(ガウス)」の方が綺麗にぼけが入っている感じがします。
イラストなどでベタのぼかしには「ぼかし(ガウス)」を使った方がきれいに仕上がります。
特に形が複雑なものになるとぼかしのきれいさがはっきりします。

「スタイライズのぼかし」と「ぼかし(ガウス)」は「アピアランスパネル」から調整が簡単です。アピアランスにはいろいろ便利な機能があります。合わせてどうぞ。

ぼかしが荒い(解像度が低い)場合の解決方法
「ぼかし」や「ドロップシャドウ」をかけた時、ボケが荒いと感じたことはありませんか。サイズの小さいオブジェクトに「ぼかし」や「ドロップシャドウ」をかけた時は特に荒さが目立ってしまいます。
その原因は解像度が関係しています。解像度を上げれば荒さの問題は解決します。
解像度の設定のやり方
❶メニューから「効果」→「ドキュメントのラスタライズ効果設定」を選択。
❷「ドキュメントのラスタライズ効果設定」のダイアログボックが表示されます。
「解像度」を「高解像度(300dpi)」に設定。(「その他」で任意の解像度を設定してもOK)

解像度の比較
解像度比較した画像です。300pdiの方はきれいなグラデーションになっています。

ドロップシャドウの影も高解像度に
この設定は「ドロップシャドウ」の影にも適応されるので、「ドキュメントのラスタライズ効果設定」で高い解像度にするにすると、きれいな影が作れます。

現在の2020年のイラストレーターではデフォルトで300dpiになっていますが以前のイラストレーターでは72dpiになっていることがあります。
ぼかしが切れてします時の解決方法
「ぼかし(ガウス)」を多めにかけた時、ぼかしの端が切れてしまうことがありませんか。
「ぼかし(ガウス)」はオブジェクトの外側にもボケが出るのでデフォルトの設定だと切れてしまうことがあります。

この「ぼかし(ガウス)」が切れないようにす方法を紹介します。
「ぼかし(ガウス)」が切れないようにす設定
❶メニューから「効果」→「ドキュメントのラスタライズ効果設定」を選択。
❷「ドキュメントのラスタライズ効果設定」のダイアログボックが表示されます。
❸「ドキュメントのラスタライズ効果設定」のオプションの「オブジェクトの周囲に○○mm追加」の数値を上げる。ここでは倍にしています。
❹ボケが切れることなく表示されました。
実行してみて、まだ切れるようでしたら、数値を上げてみてください。

スタイライズのぼかしの場合は内側にボケるのでこの様にボケが切れることはありません。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
同じぼかしでもスタイライズはオブジェクトの周りのみがぼけて、ガウスの場合では全体がボケると言うことです。
使い分けの参考になったでしょうか。