イラストレーターでよく使う機能の一つにグループ化があります。
レイアウトを効率よく進めるためには非常に便利な機能ですが、グループ化が原因でトラブルになったり、グループ化がなぜか解除できなかったりと不都合がたまに起きます。
今回は正しいグループ化のやり方をわかりやすく解説していきます。
Contents
イラストレーターのグループ化とは
イラストレーターのグループ化とは複数のオブジェクトをひとつにまとめたものです。
グループでまとめられたオブジェクトは選択や移動もひとつのオブジェクトとして扱うことができ、例えば「ぼかし」などの効果コマンドもグループ全体に適用されます。
つまり、複数のオブジェクトをひとつのオブジェクトとして扱うことができる機能です。

グループ化のやり方
❶グループ化したい複数のオブジェクトを選択します。
❷メニューの「オブジェクト」→「グループ」を選択。
❸選択したオブジェクトがグループ化されます。

ショートカット
よく使う機能なのでショートカットを覚えることをおすすめします。
PC | ショートカット | |
選択したアートワークをグループ化 | Windows | Ctrl + G |
Mac OS | Command + G |
グループ化解除のやり方
次にグループ化の解除のやり方を解説します。
❶グループ化したオブジェクトを選択します。
❷メニューの「オブジェクト」→「グループ解除」を選択。
❸グループ化が解除されました。

ショートカット
グループ化同様、よく使う機能なのでショートカットを覚えることをおすすめします。
PC | ショートカット | |
選択したアートワークをグループ解除 | Windows | Shift + Ctrl + G |
Mac OS | Shift + Command + G |
グループ化を重ねる
グループ化は重ねてグループ化することができます。
つまり、複数のグループ化したオブジェクトをまとめてグループ化することができます。

重ねたグループの解除
グループ化を重ねたオブジェクトを解除すると一度にグループ化が解除されるのではなく、グループ化の階層のひとつずつが解除されていきます。
例えば前の「グループ化を重ねる」で使ったグループ化された3つの球を選択した状態でグループ解除をしていくと、1回目の解除はオレンジ枠のグループ化が解除されます。
そのままもう一度グループ解除すると緑枠と3番の球の青枠が解除されます。
すべてグループ解除するにはグループ化した数だけ解除する必要があります。

グループ化したオブジェクトの編集
グループ化されたオブジェクトを解除せずに編集が可能です。
やり方は以下の2つです。
- 「グループ選択ツール」で編集
- 「グループ編集モード」での編集(よく使う。)
「グループ選択ツール」で編集
ツールバーの「グループ選択ツール」を選択します。
グループ化されたオブジェクトをクリックするとオブジェクト単体が選択され、編集が可能になります。

「グループ選択ツール」はクリックする度にグループ化したオブジェクトを順番に選択していきます。

「グループ編集モード」での編集
グループ編集モードとはグループ化されたオブジェクトをダブルクリックすることで、一時的に編集が可能になるモードです。
ではグループ編集モードの手順を解説します。
下の画像のようにグループ化されたオブジェクトの2番の球を編集するとします。

❶グループ化されたオブジェクトを「選択ツール」で「2番の球」をダブルクリックします。

❷ウインドウの上の部分にレイヤー階層が表示され、グループ編集モードになります。
オレンジ色のグループ化❸が解除された状態になります。

❸続けて「2番の球」をダブルクリックすると緑色のグループ❷が解除された状態になります。グループ❷と関係のない「3番の球」はグレーアウトの状態になります。
ウインドウの上の部分のレイヤー階層がひとつ下の階層にいることを示しています。
❹続けて「2番の球」をダブルクリックすると青色のグループ❶が解除された状態になり、「2番の球」が編集可能となります。

❺編集が終わったら、アートボード内をダブルクリックすると元のグループ化されている状態に戻ります。

グループ編集モードでの編集は大変便利な機能なので、ぜひ覚えていただきたいです。
グループ化のトラブルと解決方法
グループ化は簡単で便利な機能なだけに多用しているうちに間違った使い方をしてしまう場合があります。
トラブルの種類と解決策を紹介します。
グループ化したオブジェクトの一部をコピーして使う
グループ化したオブジェクトの一部をコピーして使う時にトラブルになる場合があります。
例えば下の画像のように、グループ化された「1の球」の「影」を「3の球」に「グループ選択ツール」でドラッグ&ドロップでコピーするとコピーした影のオブジェクトは元の「1の玉」のグループとして扱われます。

仮に「1の球」が不要になりデリートすると「3の球」にコピーした影も一緒に消えてしまいます。
あったはずのオブジェクトがいつの間にか消えているというトラブルはグループ化が原因の場合が多々あります。
近くにあれば気がつくかもしれませんが、アートボードを拡大していて画面外にグループ化されたオブジェクトがあると消えたことがわかりません。
解決方法 その1
グループ化したオブジェクトの一部をコピーして使う場合は、「グループ選択ツール」で選択したオブジェクトをコピー&ペーストで複製します。
ショートカット
PC | ショートカット | |
コピー | Windows | Ctrl + C |
Mac OS | Command + C | |
ペースト | Windows | Ctrl + V |
Mac OS | Command + V |
コピー&ペーストされたオブジェクトはグループ化していないオブジェクトとなります。
解決方法 その2
バウンディングボックスを表示にする。
メニューの「表示」→「バウンディングボックスを表示」を選択します。
バウンディングボックスを表示すると選択されたオブジェクトを囲うようにラインが表示されます。
これによって、選択された範囲がわかるようになります。

例えば画面を拡大して全体が見えない時でも、「1の球」を選択するとバウンディングボックスが「1の球」意外に広がっていることがわかります。
これはどこか見えないところでオブジェクトが選択されていることを意味します。全体を見ると下の影がグループ化によって選択されていることがわかります。

バウンディングボックスの表示を強くおすすめします。
グループ化が解除できない
グループ解除を何度もしてもグループ化が解除できない!なんてことマレにありますよね。
おそらくグループではなく「複合パス」になっているのではないでしょうか。
複合パスも一見するとグループ化されたオブジェクトと同じに見えます。
複合パスをいくらグループ解除しても何も変わりません。
オブジェクトを選択した状態で、メニューの「オブジェクト」→「複合パス」を見て「解除」がアクティブになっていたら、それが原因かと思います。
複合パスしたものを別のオブジェクトとグループ化して、、、なんてやっていると、つい複合パスしたことを忘れてしまいますよね。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
グループ化はとても便利で使用頻度の高い機能です。しかも簡単です。
オブジェクトを選択する時はバウンディングボックスを見てちゃんと目的のオブジェクトのみ選択されているか、その都度確認しながら制作していくことをおすすめします。
グループ化は大変よく使う機能です。ぜひショートカットでやられることお勧めします。他にも便利なショートカットを紹介した記事を参考にどうぞ。作業効率がグッと上がりますよ。

参考になったら幸いです。